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コーチ通信【22年8月20日号】8月道コンの結果から何を学ぶか。

8月道コンの結果から何を学ぶか。

夏期講習会、そして道コンが終わりました。これにて夏のイベントは、ひとまず終了です。
皆さん、よく頑張りました!

その道コンの結果ですが、全学年・全教科とはいきませんが、出来るだけ試験が終了した後すぐに採点し、返却するようにしています。

勉強の成果が存分に発揮できた人もいれば、前回4月と変わらない得点だった人や、思ったほど得点が取れなかった人もいました。では、同じように講習会を受けている中、どこからその差が生まれるのでしょうか。

 

中1で合計452点を取った、NKくん。
6月定期テストの結果が悔しくて「○○くんに絶対負けない!」といつも言っていたのが印象的でした。時間があればいつも自習に来て、甘くなる自分の気持を律するように塾を使いこなしていましたね。結果的に、かなりの量を復習できていました。凄いガッツです。

中2で合計444点を取った、STくん。
部活がオンシーズンで肌がまっ黒焦げになる中、しっかり結果を残せたのは【考えて勉強できている】から。カミングサマーをくり返し解いたり、道コン過去問から次にやるべき勉強を決めたり、やることが明確です。常に「何を勉強すれば得点につながるのか」を考えています。

中3で合計447点を取ったNTくんも、似ています。
いつも定期テストの時は、塾ワークや学校ワークを3〜4周くり返し解いています。今回の道コンもそう。一見すると変わったことをやっていないように見えるのですが、当たり前のことを確実に実行しています。

 

振り返って思うのが、生まれ持った能力で得点が取れているのかというと、決してそうではないということ。やるだけのことをやっているし、そうなるように考えて行動しているからこその、結果です。

「部活があったから…」と言い訳することがありません。
「部活があるから、この日でやります!」と発言がポジティブです。
得点が高いから凄いのではなく、先延ばしにせず、前向きに行動出来ているから凄いのです。

もし今回の道コン結果で思うところがあるなら、夏休みの自分の行動を振り返ってみましょう!

いつやるのか…今でしょ!の真意。

一世を風靡した某有名予備講師の『いつやるのか、今でしょ!』という名言ですが、この言葉の真意を考えたことはあるでしょうか。道コンが終わったこのタイミングで、目の前の勉強に置きかえて考えて見ましょう。

内申点は3年間の総合で決まる。

北海道の公立高校入試は【内申点+当日点】の相関で合否が決まります。その内申点の計算の仕方はこのようになります。

  1. 中1の3学期の9教科の成績合計×2
  2. 中2の3学期の9教科の成績合計×2
  3. 中3の3学期の9教科の成績合計×3
    →【①+②+③】の合計でA.B.C…とランクが決まる


1年生の成績から内申点に影響するので、後になるほど挽回するのが大変になります。中3になってから急に頑張ってオール5を取ったとしても、ランクは上がっても2つ(F→Dなど)が限度です。

今からやっておくと、後から進路を真剣に考えた時に「やっていて良かった…」としみじみ感じます。

今の勉強が一番カンタン。

当たり前ですが、学年が上がるほど勉強は難しくなります。

例えば数学なら、【中1:比例/反比例 → 中2:一次関数 → 中3:二次関数】とグレードアップ。内容の難しさだけでなく、学年をまたいだ融合問題など、入試に向けて問題のバリエーションも増えます。

英語は、語彙力の積み重ねの差が開きます。中学3年間で約1800語を学ぶので、1年あたり600語。中1の時はそれで済むのですが、1年サボって中2になると、1,200語も一気に覚えることになります。よく受験学年になると「長文が読めない…」と相談を受けるのですが、ほとんどが語彙力の問題です。

今の勉強が一番カンタンですし、先延ばしにすると、どうにも解決するのに時間がかかってしまいます。

時が経つほど差が開く。

多くの場合、算数が難しくなってくる小4あたりから勉強の進みに差が出てきます。学習量の積み重ねの差が、ダイレクトに得点にあらわれます。その後は、小5や小6の道コン、あるいは中学進学後の6月定期テストでしょうか。学年が上がるほど、ハッキリと得点で違いを感じる場面が増えてきます。

そしてその差は、すぐに埋まりません。
1日30分勉強している人と、1日60分勉強している人では、どのくらい差がつくかというと…。

小4からカウントしたグラフになりますが、1年あたり182.5hの差となるので、小4の時点では大きな差を感じません。ところが中3になると、1095hも差がつきます。実際には中学校に入ると、やる人はもっと勉強するので、差はもっと開きます。

気付くのが遅くなるほどチャンスが減るというのはそういうことで、放置し続けるとたちまち、1日や1ヶ月どころでは挽回できなくなります。

・ ・ ・ ・ ・

ネガティブな話に聞こえるかもしれませんが、逆に考えてみてください。
先延ばしさえしなければ、誰にでもチャンスがあるということです。

言い訳を言ったり、先延ばしにしたり、まわりのせいにしたり。そういうことをする前に、ちょっとでも塾に来て、勉強を積み重ねる。生まれ持った能力以上に、出来ることを続けたら必ずどこかで花が咲く。それが『今でしょ!』の真意だと思います。

中3:秋の受験勉強が始まる!

中3は秋がラストチャンスです。なぜかというと、11月定期テストで内申点がほぼ決まり、学校で実施される9・10・11月の学力テストABCの得点に基づいて、志望校が決まるからです。

夏休み明けからは、この2つの勉強を同時に行うことになります。11月定期テストに向けた対策と、学力テストABCに向けた対策です。単純に考えて、部活を引退してできた余裕を使って、倍、勉強しないと十分に回りません。

まず、11月定期テストに向けた『iワーク学習進度表』を配るので、その予習ペースを死守しましょう。その上で、毎週土曜日には『受験対策土曜講習+連続模試』を実施するので、受験勉強のペースをそこで整えます。

目の前3ヶ月を乗り越えられた人は、受験で成功できます。自分の入りたい高校に進学できます。夏期講習会で受験勉強のスタートは切りましたが、皆さんは、もっともっと頑張れると信じています。

ぜひ秋の3ヶ月の勉強をやり切って、学力テストABCと定期テスト、満足ゆく結果を残しましょう!

道コンと入試の傾向

まだデータ集計が済んでいないので、SS(偏差値)が出ていないタイミングとなりますが、最後に道コンを採点した実感をお伝えしておきます。

【国語】
「資料を読み取り自分の言葉で説明する」問題は独特ですが、意識せずとも対応できる作りです。5教科の中で最も平易で、強いて言うなら慣れが必要な”古文”で得点出来ない人の方が、得点が伸び悩む傾向があります。

【数学】
裁量問題が廃止されたことで、1から10まで、様々な難しさの問題がバランス良く並びます。難問よりも、解ける問題をミスすることの方が、間違いなく差がつきます。教科書の太字レベルの問題を、中学3年分マスターするのが最優先です。

【英語】
文法も大事ですが、暗記は通用しにくく、英語力が問われる作りです。長文問題では語彙力の差が顕著に出るので、小5〜中3までの5年間、コツコツと積み上げて来た人が勝ちます。その性質から、後から挽回するのが一番難しい教科といえます。

【社会】
暗記が通用しなくなりました。なぜそうなったのか、背景や意味合いを理解しないと答えられません。グラフの読み取りや記述問題が増え、理科同様に思考力が問われる作りに変わったので、「暗記すれば得点できる」という時代は終わりを告げたかもしれません。今後の動向に、最も注意が必要です。

【理科】
以前から問題の読み取りが難しく、とりわけ1分野はグラフや計算の問題が多いので、社会よりも得点が取りにくい傾向が続いていました。今回から社会も難化したので、「理科や社会は暗記教科だから得点しやすい」と安易に思わない方が良いでしょう。

【総評】
結果として、今年の3月から変わった入試の傾向を踏まえて、道コンも似たような変化を見せています。一番印象に残ったのは、思考力が問われるようになった社会の難化です。今後も『暗記よりも考える力』という傾向が続くと予想されます。「なぜこうなるのか」と疑問を発し、自分の頭で考えるクセづけをすることが、攻略につながるはずです。

今月のボソッと│教室長 松浦

夏期講習会も毎日自転車通勤だった私。自転車通勤だと片道25分で、体力がつく、燃料代かからない、おまけに四季を感じられる。自動車通勤だと、片道20分、足腰は衰える、燃料代がかかる、雨の日はちょっと助かる。

日に日に、自動車に頼ることでお金を払って不健康を買っていたのだと、罪悪感を感じるように。勉強も同じで【答えを教えてもらう=楽をする】のではなく、自分の頭を使って考えることに意味があるのだと、確信。

目線を変えると、色々なものが見えて面白い。そうして教室長は、今日もペダルをこぎ続けるのでした…。

塾の日々
個別指導北大コーチ