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コーチ通信【25年9月20日号】

リテストのススメ。

9月13日(土)に中1、20日(土)に中2の全国学力テストを実施しました。この全国学力テストの優れている仕掛けが『リテスト』で、1回目のテスト結果が出た後に同じ問題を解いてデータ入力すると、1回目と2回目のデータが比較できるようになっています。

常日頃から生徒たちに伝えているのですが、勉強というものは、テストをして×の問題を見直して、それが出来るようになって初めて得点が伸びます。

良い結果を残している人ほど、塾プリントを添削しているとよく間違えます。練習の時に失敗するだけ失敗しておいて、自分の苦手にとことん向き合うから本番で結果を残すことができるのです。

逆に結果が思うように出ない人は、不自然なくらい○が多いです。塾プリントや塾ワークを解いてもほとんどが○。わからないところをいつも調べながらやっているから、何が本当に出来ないのかよくわからない状態になりがちです。中には解きっぱなしで○×をつけない人も。それでは成果につながりません。

そういった意味でこの全国学力テスト、そしてリテストは、正しい勉強のやり方を体現していると思っています。自力でテストを解く、✕の問題を見直す、✕の問題が○に変わったか見比べる。データ付きではっきり自分の状態を理解することができます。

全国学力テストの直前に8月道コンの問題で数学の解き直し(リテストの意味合い)をさせたのですが、やはり上位陣ほど✕の問題が○に変わっていました。見直しの大切さを理解していて、正しい勉強のやり方が身についているということです。

ちなみに✕の問題を見直すことが成長につながるのは脳科学的に証明されており、「一旦間違えてからその後に間違えに気づくことで、その驚きや体験で記憶に残りやすくなる」という学習効果のことを【ハイパー修正効果】といいます。

ぜひ皆さんには、全国学力テストを成長の機会と思って挑んでほしいと思います。

思い出すほど覚える。

とにかく得点を上げようと思ったら意識して欲しいのが『アウトプットの勉強』にこだわることです。思い出す機会が多ければ多いほど、人間の記憶は強固に残り続けるようになるからです。

先ほど紹介した『リテスト』は、効果的なアウトプットの勉強の一つです。日頃の勉強に同じことを活用するなら『ワークの問題をノートに解いて、ワーク本体の間違った問題に✕印をつけておく方法』がオススメです。

1周目は自力で解いて、間違えた問題の通し番号に×印をつけておきます。2周目はその間違えた問題を中心に解いて、再度間違えたら✕印を追加(××印になる)します。3週目以降も同様に進めて、同じワークを3~4周すればかなりの内容が頭に入っているはずです。

効率を優先するなら、『赤シート』を活用する勉強法もオススメです。

用意するのは、オレンジ(もしくはピンク)の色ペン。赤は色が濃いので透けて見えてしまいます。個人的にはサラサの0.7や1.0がオススメ。紙面についた溝で文字がわかるのを防ぐことができます。そして赤シートですが、100均の赤シート下敷きを推しています。そのまま下敷きとして使えるので。とても便利です。

勉強のやり方ですが、オレンジペンでワークに答えを書きこみながら内容を読みこんでいきます。それだけでは絶対に覚えていないので、書きこみ終わったらすぐに赤シートで隠して確認します。ワークに書きこんで解くより時間のロスが少ないので、素早く何度もくり返せるのがメリットです。特に社会や理科の勉強と相性が良いと思います。

3つ紹介しましたが、すべてに共通して言えるのが「1週目に勉強したことが、2周目以降の準備になっている」点です。くり返す前提の勉強になっているので、時間の効率が良いです。中1~2の内にこの勉強方法が身についていると、中3になった時に良い思いができます。なぜなら中3になってから本格的に始まる受験勉強は、中学3年間の勉強を5教科同時にやることになるので、モタモタやっていたら自分の忘れるスピードに勝てません。忘れるスピードに負けると、いつまで経っても問題の取りこぼしが減らず、伸び悩みます。

ちなみにeトレ(塾プリント)もアウトプットに適した学習システムなので、周回して勉強しやすい作りになっています。ぜひくり返し勉強に活用してください。

視写。

以前紹介したのですが、再び登場です。アレクサンドラ構文という、国語読解の問題です。

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<問題>
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

この文脈において、以下の文中の空欄に当てはまる最も適当なものを①~④の中から1つ選び○をつけなさい。

Alexandraの愛称は(   )である。

①Alex ②Alexander ③男性 ④女性

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基礎的読解力(基本的な文章を読み取る力)を研究する新井紀子先生の著書からの出典です。答えは①なのですが、皆さんは正解できたでしょうか。

正答率はQ1が中学生38%/高校生65%となるそうです。昨年北大コーチの中高生26人に同じ問題を解かせたところ、61%の正答率でした。同じ教科書を読んだり、同じワークを解いても理解に差が出る理由は、この正答率が物語っていると思います。日本語なので読めているように錯覚しますが、実際は正しく読めていないことの方が多いのです。

新井先生が著書の中で基礎的読解力を伸ばすために有効だと紹介していたのが『視写』という方法で、塾では夏休み明けから小学生コースの授業始まりに実施することにしました。ルールは簡単で、ある文章を与え1分間黙読、3分間で書き写して、何文字書けるか計るというものです。文字数÷時間で1分あたり何文字書けるかを計算しておいて、変化もわかるようにしています。

やってみてわかったのは、書き写すのが速い子や国語の得点が高い子は、目線の移動が極めて少ないということです。一度文章を見てから書き写す文字の量がとにかく多い。しっかり文節ごとに意味を理解するクセがついていたり、語彙力が高いので文章を予測して読めているからでしょう。

逆に普段から解くのが遅かったり、テストで解く時間が足りなくなったりする子は、書き写す字数が少なかったです。様子を見ていると、目線を何度も移して、一文字ずつ確認しながら書いていました。

ただこの視写ですが、継続して練習していると、変化に個人差はあるものの、各々書くスピードが上がってきました。区切れを考えて読んだり、次の文字を予測しながら書いたり、取り組み方が良くなってきている印象を受けます。

スピードが遅い人は、ぜひ家でも積極的に練習してほしいと思います。教科書を開いて、1分黙読(音読)、3分書き写す。シンプルなルールなので、5分もあれば気軽にできてしまいます。やればやるほど伸びるはずなので、朝勉強の習慣にも向いています。

塾でもしばらく継続して、勉強に良い変化があらわれないか注意深く見ていきたいと思います。国語だけではなく、算数・社会・理科の理解度にも良い変化があらわれるのではないかと期待しています。

ちなみに生徒はゲーム感覚でタイムアタックしているので、集中して、楽しんで勉強しています。

今後の予定。

引き続き、毎週土曜日に中3のイベントがあります。また定期テスト直前には、毎回恒例の『にちべん』があります。また近くなったら詳細をお伝えします。

9/13(土)午前 中1)全国学力テスト午後 中3)土曜講習②
  20(土)午前 中2)全国学力テスト午後 中3)土曜講習③
  27(土)中3)学力テストB対策模試
10/8(水)学校)学力テストB
  11(土)中3)土曜講習④
  18(土)中3)道コン(学力C対策)
  19(日)中学)にちべん① ※予定
  25(土)中3)土曜講習⑤
  26(日)中学)にちべん② ※予定
  31(金)学校)北辰中 定期テスト